2016-10-22

愛を簡潔に言葉で伝え、微笑み端的に立ち去る








生まれて此の方、花嫁姿に憧れを抱いたことがない。
過去に、両手で足りるほどの結婚式の撮影を経験させてもらった。
大きな疑問と計り知れない緊張感を、経験と同時に授かった。

これからあなたと生きて行くのに、
初っ端から大金をつぎ込む経験が、
似合わないドレスを着て、
向けられる視線とレンズに笑顔を安売りなんて私には解せない。
そこに価値を見出せない。

ならば婚前旅行として、二人だけの世界を満喫し不慣れな土地で「生と死」を生身で感じ、自分すら知らない隠し持つ一面を曝け出したい。
または両家家族の融点として、和装でお寺で精進料理!なら、うまい飯が食えて楽しそうという価値を見出せそうだ。

こうして自身希望の「落とし前のつけ方」を妄想する。
白馬に乗った白タイツの私の殿様は至極遠くてよく見えない。
ド近眼なんだからもうちょっとピッチあげて馬の尻叩いてくれるといいのに。

今回この私に1日そばにいてほしいと言った彼女達のケジメのつけ方は、
もしもシリーズ「結婚編」に類似していることに気がつく。

一度断ったのだ。
「結婚式」に全く興味がない私には撮れないと。
がしかし、「結婚」という落とし前をつける彼女達ホモサピエンスに興味津々なのだ。
断ったら殊更に欲が出てきた。
二人を撮るのは私であって欲しいと。
バンクーバーの友人とフォトセッションしたいと。

なのでオファー返しをしたのが今月初めの「愛の告白」。
去り際は微笑みとともに端的に行う予定。
下見を兼ねて、来月新潟へ小旅行を今朝企画した。
向かうはアトリエと小売店と愛すべき友の愛の巣箱。

蚤の心臓を震わせるのは何年ぶりだろう。