2017-01-04

手と足と及び腰




焼きついた赤い岩肌と、黄色に輝く砂埃のあの土地が見える。
過去にしがみついて、水たまりの上澄みの水面を揺らす。
蒸し返すような匂い。
心臓を掴まれる錯覚。



ハードディスクがお釈迦様になられて、今さっき心の中で葬った。
写真をデジタルで撮るようになってから、
悲しさの混じった言いようのない恐怖感が常にある。
手放したくなる。
こんなものなくてもいいと思う。

アナログの安心感。
この手で触れられるものへの揺るぎない存在感。
手にしたい想像の中のぼんやりとした暖かくて息もできない何か。

こんなものなくなればいいのに。
こんなもの捨てちゃえばいいのに。
思い切りの悪さが足踏みを助長する。
依存辛。
過去の自分に。